建築家との家づくりのプロセス

快適な住まいの設計のために必要なプロセス(設計過程)とは?

わたしたちと家づくりをする方に共通することは、
人任せではなく、とても真剣に家の設計について考えているということです。
そして、自分たちのライフスタイルに合ったバランスのよい住まいを求めています。

住まいの設計について真剣に考えるほど、バランスが重要になってくるようです。
なぜなら、バランスのよさは、長い間使われ続ける家につながります。
そして、周辺環境や風土に対応した快適性、住人同士のいい関係にも、
当然つながってくるからです。

要望や周辺環境など、様々な条件にバランスよく対応した住宅設計をするには、
様々なことをバランスよく考えることができる設計過程(プロセス)が必要です。
>建築家との設計の体験談

追分の家を例に、このようなわたしたちとの家づくりについて、ご紹介します。
緩やかな南斜面の林間にある敷地に、家族の繋がりを重視した、
工芸などをするスペースのある家・・・という条件でした。

トライアルプラン1.与条件の整理

>様々な建築タイプの検討 1  
>選択した建築タイプの組合せを列挙 4  

はじめに打合せを通して、生活スタイルや住まいの要望をお聞きし、予算を把握し、
同時に敷地の周辺環境との関係を分析します。
まず、既成概念にとらわれずに、どのような空間が必要であるのかということと、
それぞれの空間の関係の可能性を洗い出し、建築タイプ別に整理します。

そして、周辺環境との関係はどうか、視線の抜けやスケール感はどうか、
家族間の関係と動線はスムーズで豊かであるか、日照や風通しはどうか・・・
などの分析ポイントの結果から判断し、いくつか選択します。
例では、家族の繋がりから、台所と食堂を中心とした、
正方形に近い平面の建築タイプが選択されました。
同じ建築タイプでも、いろんなが組合せが可能なので、パターンを全て列挙します。

トライアルプラン2.構想案の検討

>組合せの中から絞り込んでいく 6    10 
>構想案として整理 11 12

組合せは、トランプのマークと番号の組合せを想像するとわかりやすいと思います。
住まいの要望の優先順位などによって同じように検証し、
構想案として一度整理します。

ここまでの流れをわかりやすく説明し、依頼者の住宅として最適な案かどうかを
十分に話し合い、検証します。
方針が決まったら、修正を加えて案をまとめます。

トライアルプラン3.プラン提出

>配置図
>平面図
>断面図
>ダイアグラム
>透視図 1     

このようにして、まとめ提出案とします。
発想の段階では、こうした秩序に基づいた検討過程を通して、話し合い、
全ての可能性の中から、住まいの要望などの条件に対して最大限納得のいく案に
絞り込んでいきます。
「これでは、要望が盛り込まれるだけで、いい建築にはならないのでは?」
そう感じるかもしれません。
でも、奇抜な作品にはなりませんが、快適で美しい住宅建築は可能です。
なぜなら、解いていく条件の中には、要望の他によい建築をつくりだす項目・・・
光や風、人の動きや視線の流れ、姿や形態のバランス・・・
なども含まれているからです。

・・・以上、ここまでがトライアルプランの内容です。
そして、十分に検討し、わたしたちと家づくりをしていこうと判断された場合のみ、
設計契約を結び、正式に家づくりを開始します。
>トライアルプランのご案内
>トライアルプランの参加方法

設計契約と準備

>要望を整理した記録

トライアルプランの内容に納得し、わたしたちと家づくりをしていこうと判断されたら、
以下の条件で、正式に設計契約の締結です。
[設計監理報酬基本料] =[工事床面積1坪あたり12万円]
※トライアルプラン参加費は差引かれます。
※消費税、交通費、外構や特別な用途等の設計監理報酬は別途料金です。
※依頼者の公平と設計水準維持のため、料金交渉には一切応じていません。

契約をしたら、設計の前に以下のような準備をしておきます。
最新で最適なアイデアと情報を取り入れるため、構造や設備、不動産関係などの
必要な専門家を加えた住宅設計のプロジェクトチームを編成します。
そして、要望や予算、工程などをもう一度整理します。
全ての打合せや決定事項は、書面で記録をし、誤解やトラブルのないようにします。
敷地について、測量図がない場合は測量会社に作成を依頼します。
解体工事、造成工事、地盤の調査や地盤補強工事が必要な場合もあります。

基本設計

>全体構成の再検討
>透視図 1  
>詳細スケッチ
>材料パレット
>基本設計平面図
>模型写真 1   

トライアルプランから引続き話し合いの場を持ち、家の全体概要決定の段階です。
トライアルプランの段階と違う要望やアイデアがあれば提案し、検討していきます。例では、食堂と居間の関係を変えた案を考えています。 

また、材料や設備などの仕様、構造計画を検討してイメージを具体化していきます。
これらについては、安全性や耐久性、維持の面やコストパフォーマンスからも
シンプルなものを考えています。
例えば、シンプルな材料とは、素材感のよいものを使い、
そのよさを活かした使い方をするということ。
シンプルな設備とは、あくまで自然を利用し、それを補うという原点を大切にする
ということです。

そして、全体概要をまとめて基本設計とします。

実施設計

>平面詳細図
>平面詳細部分拡大
>断面詳細図
>部分詳細図

基本設計で全体概要が決定したら、施工性を検討し、各部詳細の納まりを決定し、施工用の詳細図を作成します。
わたしたちの設計事務所では、実施設計時に、たくさんの図面を画き、
細かな指示を出来るだけ書き込みます。
通常は、あまり書き込まずに現場の指示に任せることもあるようですが、
誤解があった場合に追加工事が発生しかねないからです。

構造は、構造事務所に解析と計算書の作成を依頼し、安全性を確保します。

住宅建築は、大きな全体の考え方から、人の指先が触れる程度の納まりまで、
様々なスケールを感じるものです。
ですから、このように、設計の段階では、あらゆるスケールを考慮しながら、
秩序立てて決定をしていかなければならないのです。

見積から工事契約

>工事費内訳明細書(部分)
>工事費調整表
>工事費比較表

見積では、数量や単価が示されたものを依頼し、図面内容と比較してチェックをし、資金の使途を明解にします。 

工事費を調整する際には、工事費調整表を作成し、
・材料変更により減額可能なもの
・将来施工すればよいもの
・はじめから施工しておきたいもの
など、一覧表にして優先順位がつけやすいようにします。

細かなことでも、現場にはいってから追加や変更をすると、
資材や職人の手配などの工事の流れを狂わせることになり、
仕上具合に影響するので、この時点でしっかりと確認しておく必要があるからです。
見積は、はじめから信頼のおける1社に絞り、詳細につめる方法と、
2,3社に相見積に出し、そこから絞り込んで調整をする場合があります。
例は、はじめから1社の場合ですが、上記のような調整を経て、
3回目の見積で工事契約金額が決定しました。 

工事契約の内容もこちらで査定し、必要な場合は契約に立会います。

工事期間

>工事連絡書
>基礎の鉄筋と型枠
>上棟時
>構造材と下地材の納まり
>断熱工事

工事監理は、図面通りに工事が行なわれているかどうかを確認し、
施工上の細かなことや変更、追加の指示を行ないます。
ここでも指示の内容は工事連絡書として書面で記録し、トラブルを防ぎます。
いい設計をしても、しっかりと施工をしなければ、よい住宅にはなりませんから、
最終的に物にする職人など、つくり手とも十分にコミュニケーションを取り、
設計意図を伝達することも必要です。 

わたしたちは、この作業を財産である住宅の品質を保持するものであると認識し、
とても重要視しています。
コンクリート部分の配筋と型枠、木造や鉄骨などの構造部分、防水、断熱、
設備の配管や電気の配線、建具や家具の納まり、塗装をはじめとする仕上など、
各工事を確実にチェックするため、完成までに15回程度は現場に足を運びます。 

最後に竣工検査をし、図面や仕様書の通りに施工されているかどうか、
また、傷や汚れがないかどうかを検査し、修正箇所の手直しを指示します。
初めて使う住宅機器類もありますから、十分に取扱説明をし、
手直工事が完了したことを確認して竣工です。

完成

>南西の外観 階段を上がってポーチへ
>西側外観
>アトリエから1段上がった居間を見る
>居間と食堂 右手奥がアトリエ
>居間から2階への階段
>特注の薪ストーブと簾戸

住宅をつくる作業は、完成した時点で終わるというわけではありません。
生き物のようなものですから、
時間の経過とともに育てていかなければならないと考えています。
わたしたちは、家づくりのはじめの打合せから、設計と工事監理はもちろんのこと、
完成後も含めてトータルに担当します。

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