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敷地の北寄り3分の2程は、国立公園内により建設不可で、その殆どは軽井沢には珍しく木立がなく、周囲の林から取り残されたように緩やかな南斜面が大きく広がっていた。
こうした、茫然としているがどこか伸びやかな環境から、広がりを活かした庭と単純な屋根の稜線を持つ平屋の建物とが、静かに自然と向き合い、内には木立の中にいるような奥行や光の動きを体験できるような空間を抱え、遠くに見える木立と繋がる、という構成を選択した。
緩やかな寄棟の屋根の下には、書斎や家事室、造り付けのソファ、暖炉、光庭…といった「囲み」が、少しずつずれたり、大きさを変えたりしながら散らばっていて、その余白に一続きの「広間」の空間が展開している。
視線の抜けるところと受けるところ、柔らかい光と鋭く差し込む光の演出、風景の切り取りなど、注意深く配した「囲み」と「広間」の関係によって、豊かな空間が創り出されることを意図した。
「床下暖房」システムによる全館暖房としている。
(第39回中部建築賞最高賞)
(第28回INAXデザインコンテスト銀賞)- 所在地
- 長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢字離山
- 主要用途
- 住宅(別荘)
- 住人構成
- 夫婦
- 敷地面積
- 2322m²
- 建築面積
- 174m²
- 延床面積
- 148m²(45T)
- 規模
- 地上1階